混合性酸塩基平衡障害

以下の場合に混合性酸塩基平衡障害を疑う。

  1. 代償性変化が予測値よりも大幅にずれている場合。
  2. 臨床的には明らかな高度な酸塩基平衡障害があるにも関わらずpHが正常値の場合
  3. pH<7.2の高度なアシドーシス、またはpH>7.6の高度なアルカローシスがある場合。
  4. AG上昇があり補正重炭酸濃度を計算したときに24mEq/lから大きくずれている場合である。

 

しばしば混合性酸塩基平衡障害が起こる状況を以下の一覧表にする。

心肺停止

乳酸アシドーシス+呼吸性アシドーシス

肺水腫

利尿薬による代謝性アルカローシス+乳酸アシドーシス+呼吸性アルカローシス

敗血症

呼吸性アルカローシス+乳酸アシドーシス

肝不全

呼吸性アルカローシス+乳酸アシドーシス

アスピリン中毒

乳酸/ケトン体/サリチル酸蓄積による高AG性代謝性アシドーシス+呼吸性アルカローシス

エタノール中毒

乳酸アシドーシス+ケトアシドーシス

高度の低カリウム血症

代謝性アルカローシス+呼吸筋麻痺による呼吸性アシドーシス

糖尿病性アシドーシス

ケトアシドーシス+乳酸アシドーシス

COPD

呼吸性アシドーシス+乳酸アシドーシス