回帰性リウマチ(palindromic rheumatism)

  • 1941年HenchとRosenbergにより提唱された概念で、関節と周囲の軟部組織の炎症が発作性に生じて自然消退する。
  • 発作の起きていないときは全く無症状で、長期間たってもX線変化を起こさないものを指す。

疫学

  • 平均発症年齢45歳
  • 男女比はほぼ同等
  • 3分の1でリウマチや他の膠原病に移行する。HLA-DR4陽性、手関節またはPIP関節罹患、女性、高齢では移行率が高いとされる。

診断基準

確立された診断基準はないが幾つか提唱されている。

1)関節炎は間歇性、発作性、数日から1週間前後持続すること

2)単関節もしくは数関節に及ぶが対称性に欠く

3)少なくとも2週間以上の無症状期がある。

4)全身状態は良好であり貧血、体重減少などがない。

5)関節または関節周囲に限局性の発赤・腫脹を伴う。

6)臨床検査で大きな異常所見がない。

7)X線上の異常を認めない。