関節リウマチ

 関節リウマチは進行性の関節破壊により日常生活の活動性とQOL低下を引き起こす全身性慢性炎症性疾患である。遺伝的な素因と環境因子が発症に影響を与えるとされているが、後者の影響が大きいと考えられている。

 以前は関節炎を抑制できる治療が乏しく、関節炎抑制よりも副作用が生じることが多いような薬しかなかったが、メトトレキサートや生物製剤により治療が格段に進歩し、関節炎を抑制できるようになった。

 そのため、より早期に確実な診断が求められるようになった。

関節リウマチの診断

 従来、関節リウマチの診断は1987年にアメリカリウマチ学会(ACR)で発表された分類基準が使われてきた。(1987年ACR基準)

 この基準は関節症状は6週間以上持続していることが必須条件になっているが、除外基準がなく、特異度も90%以上と高いため、この基準を満たす症例はまずRAと考えてよい。診療に習熟していなくても使いやすい基準であった。しかし、発症早期の患者の診断に対しては感度は低いことは指摘されていた。

 治療効果が低く、副作用が頻繁に生じる治療薬しかなかった時代には、RAを早期に診断し治療を開始するメリットよりも、RAでない者に対して薬剤を投与してしまうデメリットの方が大きかった。ため、早期診断よりも確実な診断が重要であった。しかし、1999年のリウマトレックス、2003年以降の生物製剤(抗体製剤)の登場により状況は一変し、早期に治療を行えばRA患者の長期予後を著明に改善することがわかってきたため、より早期に診断するための基準が必要になった。そこで登場したのが米国リウマチ学会、欧州リウマチ学会が合同で作成し2010年に発表した新分類基準である。(ACR/EULAR2010分類基準:表2)

 この分類基準ではより早期の診断が可能となったが、分類基準を使う前の前提条件として「滑膜炎をよりよく説明できる疾患が存在しないこと」という除外基準が設けられた。このため、関節炎診療に不慣れな医師にとっては若干使いずらい。日本リウマチ学会からは除外診断を手助けするため、鑑別難易度を3段階に分けた”鑑別疾患難易度別リスト”と”問診表”が作成されている。

関節リウマチの診断と分類基準

関節リウマチの評価

 RAの評価には、その時点での疾患活動性評価と、発症から評価時点までのダメージ蓄積を反映する機能障害分類やX線の評価分類がある。

 疾患活動性評価は臨床的な疾患活動性評価として①ACRコアセットDAS28(disease activity score 28joint)、③CDAI (clinical disease acrivity index), ④SDAI (simplified disease acrivity index)などが利用される。

 また画像診断としては①MRIや②関節超音波検査が有用である。

 X線評価としては①Steinbrockerによるstage分類、②Larsenによるgrade分類、③mTSS(van der Heijde's modified total sharp score)などがあります。

 また機能障害の評価法としては①ACRのclass分類、②HAQ (health assessment questionnaire)が用いられます。

関節リウマチの評価

関節リウマチの治療

 関節リウマチの治療の目的は2つ、関節痛の緩和関節破壊の抑制である。

 NSAIDsやステロイドは即効性があり疼痛を緩和させるが、長期予後改善に乏しい。またステロイドは骨粗鬆症などの副作用のため長期使用はなるべく避ける方がよい。

 関節破壊抑制にはMTXなどの抗リウマチ薬が主な役割を担うが、即効性に欠けることや効果が見られない患者(non-responder)が存在することが問題である。生物製剤は即効性と関節破壊の抑制を併せ持つが、非常に高価であるため患者の経済力により使用が制限される。

 これらの薬剤を組み合わせながら治療することになる。

 治療ガイドラインは新たな薬剤の登場と共にアメリカリウマチ学会や欧州リウマチ学会、日本リウマチ学会から毎年のように改訂されているため、参考にするとよい。