EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)

EB ウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症 (EBV-HLH) 診断基準 (厚生労働省研究班, 2015 年)

 

以下の 1 と 2 のいずれも満たす。

 

1. EB ウイルス DNA が末梢血中に増加している

2. 以下の 8 項目のうち、初診時 5 つ以上、再燃・再発時 3 つ以上を満たす

 1) 発熱≧38.5℃

 2) 脾腫

 3) 血球減少 (末梢血の少なくとも 2 系統に以下の異常あり)

   :ヘモグロビン <9.0 g/dL、血小板 <100,000/μL、好中球 <1,000/μL

 4) 高卜リグリセリド血症 (空腹時≧265 mg/dL) または低フィブリノーゲン血症(≦150 mg/dL)

 5) NK 細胞活性低値または欠損

 6) 血清フェリチン ≧500 ng/mL

 7) 可溶性 IL-2 受容体 ≧2,400 U/mL

 8) 骨髄、脾臓、またはリンパ節に血球貪食像あり、悪性所見なし

 

【付記】

 1) 診断に有用な所見:

  (a) 髄液の細胞増多 (単核球) および/または髄液蛋白増加

  (b) 肝で慢性持続性肝炎に類似した組織像

 2) 診断を示唆する他の所見

 :髄膜刺激症状、リンパ節腫大、黄疸、浮腫、皮疹、肝酵素上昇、低蛋白・低 Na 血症、VLDL 値上昇、HDL 値低下

 3) 発症時に上記の基準をすべて満たすわけではなく、経過と共にいくつかを満たすことが少なくない。

  基準を満たさない場合は注意深く観察し、基準を満たした (同時期に症状・所見が揃った) 時点で診断する。