慢性活動性EBウイルス感染症

  • 通常EBウイルスはCD21を介してB細胞に感染する。感染したB細胞は不死化するが、EBV特異的T/NK細胞により抑制されている。
  • EBウイルスは時にT細胞、NK細胞に感染することがあり、EBV特異的T/NK細胞の欠陥が生じ制御不能となりリンパ増殖性疾患が惹起される。
  • CAEBVではT細胞またはNK細胞にEBウイルスの感染がみられることが多く、臨床像とも相関する。
  • 積極的に疑わないと診断に至らないことが多い。
  • 通常EBウイルスはCD21を介してB細胞に感染する。感染したB細胞は不死化するが、EBV特異的T/NK細胞により抑制されている。
  • EBウイルスは時にT細胞、NK細胞に感染することがあり、EBV特異的T/NK細胞の欠陥が生じ制御不能となりリンパ増殖性疾患が惹起される。

診断基準

慢性活動性 EB ウイルス感染症 (CAEBV) 診断基準 (厚生労働省研究班, 2015 年)

  1. 伝染性単核症様症状が 3 か月以上持続 (連続的または断続的)
  2.  末梢血または病変組織における EB ウイルスゲノム量の増加
  3. T 細胞あるいは NK 細胞に EB ウイルス感染を認める
  4.  既知の疾患とは異なること

以上の 4 項目を満たすこと。

《補足条項》

  1. 「伝染性単核症様症状」とは、一般に発熱・リンパ節腫脹・肝牌腫などをさす。加えて、血液、消化器、神経、呼吸器、眼、皮膚 (種痘様水疱症・蚊刺過敏症) あるいは心血管合併症状・病変 (含動脈癌・弁疾患) などを呈する場合も含む。初感染に伴う EB ウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症、種痘様水疱症で皮膚症状のみのものは CAEBV には含めない。臓器病変・合併症を伴う種痘様水疱症・蚊刺過敏症は、CAEBV の範疇に含める。経過中しばしばEB ウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症、T 細胞・NK 細胞リンパ腫・白血病などの発症をみるが、この場合は、基礎疾患としての CAEBV の診断は変更されない。
  2. PCR 法を用い、末梢血単核球分画における定量を行った場合、一般に 102.5 (= 316 ) コピー/μgDNA 以上がひとつの目安となる。定性の場合、健常人でも陽性となる場合があるので用いない。組織診断には in situ hybridization 法等による EBER 検出を用いる。
  3. EB ウイルス感染標的細胞の同定は、蛍光抗体法、免疫組織染色またはマゲネットビーズ法などによる各種マーカー陽性細胞解析 ( B 細胞、T 細胞、NK 細胞などを標識) と EBNA、EBER あるいは EB ウイルス DNA 検出などを組み合わせて行う。
  4. 先天性・後天性免疫不全症、自己免疫・炎症性疾患、膠原病、悪性リンパ腫 (Hodgkin リンパ腫、節外性 NK/T 細胞リンパ腫—鼻型、血管免疫芽球性 T 細胞リンパ腫、末梢性 T 細胞リンパ腫—非特定型など)、白血病 (アグレッシブ NK 細胞白血病など)、医原性免疫不全などは除外する。鑑別診断、病型の把握のために以下の臨床検査の施行が望まれる。

 a) EB ウイルス関連抗体価

  • 蛍光抗体法による測定では、一般に VCA-IgG 抗体価 640 倍以上、EA-IgG 抗体価160 倍以上が、抗体価高値の目安となる。
  • 加えて、VCA-IgA、VCA-IgM および EAIgA抗体がしばしば陽性となる。
  • 患者では抗体価が高値であることが多いが、必要条件ではなく、抗体価高値を認めない症例も存在する。

 

 b) クローナリティの検索

  1. EB ウイルス terminal repeat probe を用いた Southern blot 法
  2. 遺伝子再構成検査 (T 細胞受容体など)

 c) 病変組織の病理組織学的・分子生物学的評価

  1.  一般的な病理組織所見
  2.  免疫組織染色
  3.  染色体分析
  4.  遺伝子再構成検査 (免疫グロブリン、T 細胞受容体など)

 d) 免疫学的検討

  1. 末梢血マーカー分析 (含 HLA-DR )
  2. 一般的な免疫検査 (細胞性免疫 [含 NK 細胞活性]・抗体・補体・食細胞機能など)
  3. 各種サイトカイン検索

《重症度分類》

  • 軽症:慢性活動性 EB ウイルス感染症と診断後、全身症状・主要臓器の合併症がなく経過観察する症例。
  • 重症:全身症状・主要臓器の合併症がある症例。

【参考メモ】EBVリアルタイムPCRデータ補正方法

  • 論文等では単位がコピー/1μg DNA(PBMNC)となっておりますが、SRLの報告単位はコピー/1000000WBC(白血球)となっております。そこで報告値をコピー/1μg PBMNC(単核球)の単位に補正する場合の方法をは次のようになる。
  • 1μgのDNA量は約170000個の細胞に相当します。よって1000000WBCの細胞から約5.9μgのDNAが抽出できることになる。
  • 報告値を5.9で割りさらに単核球の比率で補正しますと、コピー/1μg DNA(PBMNC)の値となる。

(例)報告値が1.0×104コピー/1000000WBCで単核球の比率が約30%の場合

 

10000÷5.9=1695 1695÷0.3=約5650コピー/1μg DNA(PBMNC)。

 

あるいは

 

5.9μgの30%は1.77μg。10000コピーを比例計算によって1μgあたりに換算すると

10000÷1.77=約5650コピ-/1μg DNA(PBMNC)

 

約5.7×103 コピー/1μgDNA( PBMNC)

 

 

CAEBVの症候

EBウイルス感染症研究会2001アンケートによると、EAEBVの症候には以下の結果であった。

CAEBVの抗体

  • 診断基準には含まれていないが、CAEBVではしばしばEBウイルス抗体価が上昇する。
  •  VCA-IgG 抗体価 640 倍以上、EA-IgG 抗体価160 倍以上が、抗体価高値の目安となる(診断基準より)

《日本人CAEBV82例の抗体プロフィール》

疾患概念と病型

治療

予後