医療機関での対策

医療機関における COVID-19 の疑いがある人や COVID-19 患者の診療時の感染予防策

 

医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第2版)

 

P4、感染対策

  1. 標準予防策の徹底

 新型コロナウイルス感染症に対して、感染対策上重要なのは、まず呼吸器衛⽣/咳エチケットを含む標準予防策の徹底です。基本的に誰もがこのウイルスを保有している可能性があることを考慮して、全ての患者の診療において、状況に応じて必要な個⼈防護具(PPE; Personal Protective Equipment)を選択して適切に着⽤してください。コロナウイルスはエンベロープを有するため、擦式アルコール⼿指消毒薬は新型コロナウイルスの消毒にも有効です。⼿指衛⽣は適切なタイミングで実施してください。

 

  1. 感染経路別予防策

 新型コロナウイルス感染症の感染確定例および疑い例には、⾶沫予防策と接触予防策を標準予防策に追加して⾏います。新型コロナウイルスは気道分泌物および糞便から分離され、対策のポイントは以下の 2 点です。

  • ウイルスを含む⾶沫が⽬、⿐、⼝の粘膜に付着するのを防ぐ
  • ウイルスが付着した⼿で⽬、⿐、⼝の粘膜と接触するのを防ぐ

(1) 個⼈防護具

  • 通常は眼・⿐・⼝を覆う個⼈防護具(アイシールド付きサージカルマスク、あるいはサージカルマスクとゴーグル/アイシールド/フェイスガードの組み合わせ)、ガウン、⼿袋を装着します。
  • ⼀時的に⼤量のエアロゾルが発⽣しやすい状況※においては、上記に N95 マスクを追加します。N95 マスクを装着するたびにユーザーシールチェックを実施します
  • 個⼈防護具を着⽤中また脱⾐時に眼・⿐・⼝の粘膜に触れないように注意し、⼿指衛⽣を実施します。
  • タイベックⓇ防護服などの全⾝を覆う着⾐の着⽤は必須ではありません。

※気管挿管・抜管, NPPV 装着, 気管切開術, ⼼肺蘇⽣, ⽤⼿換気, 気管⽀鏡検査、ネブライザー療法、誘発採痰など

  • 基本的にシューズカバーを使⽤する必要はありません。患者の状態に応じて必要ならば使⽤してください。

(2) 個室隔離

 

  • 患者は個室に収容します。陰圧室は必須ではありません。

表1 )医療従事者(注1)の曝露のリスク評価と対応 

 


日本環境感染症学会から、東京オリンピックに向けて作成された、医療機関の感染対策対応方法を解説したビデオが作成されている。

COVID-19対策でも対策は共通なので、是非一度見ておきたい。

 

 

 

診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療

感冒様症状への対処法をあらかじめ地域住⺠や患者に伝える

  • 感冒様症状の患者が発症早期に外来を受診しても,新型コロナウイルス感染症か否かを鑑別するのは⾮常に困難です.また,多数の患者で混み合う外来待合室に感染者がいた場合,患者間で感染が拡⼤するおそれがあります.
  • そのため,感冒様症状を呈した場合には早期の受診を控え⾃宅療養(後述「5.」)を⾏う等の対処法を,あらかじめ地域住⺠や患者に知っていていただくことが⾮常に重要です.
  • また,外来に感冒様症状の患者が来院した際に,他の患者と同じ空間に滞在しないような対策も必要です.そのために,感冒様症状患者とその他の患者の待合室及び外来における動
  • 線を分離する,⼜は両者の来院時間を分離する等の⼯夫が求められます(後述「8.」).どちらの⼯夫においても,来院した場合に⼾惑わないようあらかじめ地域住⺠及び患者に⼗分に知っていただくことが必要です.
  • それら対策を知っていただく広報⼿段として,リーフレットを診察時や受付で配布したり,ポスターを待合室や診察室に掲⽰する等の⼯夫をしましょう.
  • 特に,最も守られるべき⾼齢者及び基礎疾患を有する患者に,定期受診等の際にはっきりと説明し理解していただくことが,命を守るために⾮常に重要です.