全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)とは?

  • 全身性エリテマトーデス(SLE)は、多様な多臓器障害と多様な自己抗体の産生を特徴とする、全身性自己免疫疾患です。
  • 個々の患者の臨床症状は非常に多様で、軽度の関節や皮膚の障害から、重篤な内臓疾患まで多岐にわたります。
  • SLEの分類基準は、1971年に米国リウマチ学会(American college of rheumatology:ACR)によって最初に策定され、1982年に改訂され、1997年に再改訂されました。 ( 表 81.1 )。
  • SLEと分類されるには、他の妥当な診断がすべて除外された上で、11の基準のうち4つを満たす必要があります。各基準には等しい重みが割り当てられています。患者は4つの基準すべてを同時に呈示する必要はなく、必要な11の基準のうち4つは、数週間または数年間にわたって満たされれば該当します。
  • ACR基準は、臨床試験や疫学研究に含める目的でSLE患者を分類する方法として開発されました。臨床診療では、これらの基準がSLEの診断をサポートするために頻繁に引用されます。ただし、これらの分類基準を満たすことは診断の要件ではありません。むしろ、診断は、他の鑑別診断の可能性を除外した後、支持的な血清学的検査の状況で特徴的な症状と徴候の組み合わせを認識する経験豊富な臨床医の判断に基づいています。